Ecclesiastes 10:10
from きこりのたとえ
コヘレトの言葉(旧約聖書)
「斧が鈍っていて、研がれていないと、より多くの力が必要になる、知恵が助けになる」という趣旨の一節
Ecclesiastes 10:10
"If the iron is blunt, and one does not sharpen the edge, he must use more strength but wisdom helps one to succeed."
Ecclesiastes 10:10
New International Version
10
If the ax is dull
and its edge unsharpened,
more strength is needed,
but skill will bring success.
「知恵が助けになる」の知恵が「研ぐこと」なのかはあまり明確ではない
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「知恵が助ける」とは “刃を研ぐ” ことだけではない
比喩の中心
鈍った斧をそのまま振り続ければ余計な力が要る。
そこで「知恵」は ①〈斧を研ぐ〉という準備 ②〈そもそも適切な道具・方法を選ぶ〉という判断力を指す。
ヘブライ語原文
後半は we-yitron ḥokmâ tashlîaḥ (知恵の利益は“成功させる”こと)。
「成功させる(tashlîaḥ)」は導く/推進するニュアンスで、道具のメンテに留まらず作業全体を最適化する広い意味。
主な注解のまとめ
Gill/Geneva
知恵は「物事を正しい方法で行う道筋を示す」
Enduring Word
愚か者は鈍いまま使い続けるが、賢者は先を見越して刃を研ぐ=「先に頭を使う方が後で楽」
Precept Austin
NIVは “skill will bring success”。技能・計画性全般を含むと解釈。
つまり
具体例としては研ぐことが挙げられるが、
本質は「準備・改善・計画という知恵」――
道具を点検し、必要なら整備する。
作業手順を見直し、無駄な力仕事を避ける。
人手・時間・資源を最小の労力で最大の成果に導く。
この節が教えるのは「力任せより頭を使え」という普遍原理であり、研磨はその象徴的なワンシーンにすぎません。